歌舞伎を初めて観たのは、小学生の時。

あれから月日が経ち、歌舞伎の魅力がわかってきました。

私にとって歌舞伎は、自分の人生に気づきを与えてくれる教科書。

どの俳優さんも安定した演技で、表情や動きに余裕がある。

舞台に立つ人々の着ているものが上質で、華やか。

効果音や音楽は、生演奏。品格のある伝統芸能の魅力を伝えたい。

今回は、落語が原作。

人情噺文七元結のお話し。（にんじょうばなし ぶんしち もっとい）

酒と博打が好きな旦那。長兵衛（ちょうべえ）

毎月収入があるのに、服も。家も。ぼろぼろ。

借金まみれで、妻と喧嘩が絶えない日々。

長兵衛の大切な娘が突然いなくなる。

どこを探してもいない。

吉原の店にいた。と、聞かされる。

娘に会うため長兵衛は、吉原に向かう。

長兵衛は、職人さんで吉原の女将と知り合いだった。

女将から娘が身売りを決意していること聞かされる。

長兵衛と女将との話し合いが続く。

娘を吉原内で働かせる。

娘の体はまだ売らない特別な条件で、女将から50両を借りる。

お金を借りた帰り道。

吾妻橋のあたりで、身を投げようとしている若者に出会う。

長兵衛は若者に、身を投げる理由を聞く。

若者は、和泉屋の手代。文七（ぶんしち）

取引先から徴収した大切なお金を盗まれた。

和泉屋の主人に申し訳ないので死んでお詫びをする。と、言っていた。

50両があれば、死なずに済む。と文七は言っている。

若者を死なせてはいけない。

長兵衛は、自分の大切な50両を若者に渡す。

その50両は、自分の娘を吉原に売って手に入れた大切なお金だ。

身を投げちゃいけない。必ず生きておくれ。と文七に伝えた。

次の日。

長兵衛の家に助けた文七と、和泉屋の主人が訪ねて来る。

長兵衛は、文七が生きていたことに喜ぶ。

和泉屋の主人が長兵衛に事情を話す。

文七は、勘違いをしていた。

盗まれた。と、思っていた50両は、取引先にあった。

長兵衛に50両が戻される。

長兵衛は、人にあげたものを返してもらう。わけにはいかない。

和泉屋の主人に50両を戻す。

いやいや。

こちらは、元の50両。取引先から戻ってきてるんよ。

二重取りになるので、長兵衛に50両を返すよ。

長兵衛は納得し、50両が手元に戻る。

長兵衛の幸せは続く。

なんと、娘が戻ってきた。

文七は、和泉屋の主人に娘のことを伝えていた。

文七やるやん！

文七から話しを聞いた和泉屋の主人は、

吉原の女将に話をつけ、50両を支払って娘を取り戻した。

文七と長兵衛の娘は、結婚してお店を開きました。

おわり。

心を込めて良い行いをする。

相手に見返りを求めなくても、自然と。幸運が舞い込みます。

歌舞伎で学ぶ道徳のお話しでした。

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